昭和二十二年十一月八日 相模湾沖 "洋上空軍機発着場提供任務艦"<昭南>

空軍が持つ最大の船、"洋上空軍機発着場提供任務艦"<昭南>。
その遥か上空を一機の航空機が通り過ぎる。全体的には丸みを帯びているのに、どこか角ばった印象を与える四発機だった。

翼端から白い飛行機雲を曳いている。その様子を眺めた高梨はつぶやいた。

「何度見てもすごいな。一昔前の戦闘機よりも、よほど早いじゃないか。」
「そうですね。・・・零戦じゃあ、とても追いつけないかもしれない。最新の六二型でどっこいですかね。」

"烈風"なら初期型でも余裕ですけどね、まぶしそうに手をかざしている三木が答えた。次の瞬間、彼は苦笑しながら言う。

「そういう意味では、源田さんの”戦闘機無用論”もあながち間違いでもないかもしれません。
 ただし、それは――」
「戦闘機が進歩しなかった場合に限る、だな。――そういや、源田さんって何で空軍にこなかったんだ?
 色々と噂は聞くが、必要な人なんじゃないのか?」

高梨は単純な好奇心で三木に問うた。
彼はこの一年半近く空軍設立について飛び回ったが、そういえば源田実の名前は聞いていないと言うことに気がついたのだ。
高梨は地元での献納式で源田が見せた見事な飛行――通称"源田サーカス"が気に入っていたのだ。
だが、高梨の質問は難しいものだったようだ。三木は困ったような表情で応じる。

「海軍の”かわせみ部隊”たらんとした三四三空がロシモフ戦線で苦戦した責任を取って新設の室蘭鎮守府司令部付になった・・・
 公式にはそうい事になっていますが――」
「違うのか?」

三木は頷き、あたりを見回してから囁くように言った。

「どうも、制空戦闘に関する意見の相違から同盟軍幹部と喧嘩したらしいんです。
 売り言葉に買い言葉で、ついついエルフ高官に向かって言ってしまったらしいんですよ。
 ”亜人ふぜいが判ったような顔で航空戦を語るな”って。」
「馬鹿な・・・」

高梨は半ば呆然とつぶやいた。トーア大陸同盟において、エルフは非常に大きな役割を担っている。
大体、同盟軍の総参謀長をはじめとする軍高官の過半数がエルフ、ドワーフや獣人族なのだ。そんな暴言を吐けば――

「もう二度と表に出てくることはないでしょうね。柴田少将もそういっておられました。」

三木はどこかさばさばした表情で言った。
何を言っていいのか判らないまま、高梨は<昭南>の甲板を見つめる。
視線の先には、萱場製作所が作った日本初の――つまりは世界初の――機体の姿があった。
発艦準備をしているのだろう、周囲では最終確認をしているらしい男たちが蠢いているのが見える。
先ほどの会話で生じた重い空気を払うため、高梨は話題をそらすことにした。

「あのオートジャイロもどきも発艦か。新型機を"トンボ釣り"の補助に使うとはな。」
「正式には七式回転翼機"千鳥"。"ヘリコプター"ですよ。ラテン語で”螺旋の翼”って意味らしいですね。
 ラテンっていうのが何なのか、良くは知りませんけど。」

いつの間にか傍らに来ていたジェシカが割り込んだ。予想外の声に驚いた高梨は飛び上がらんばかりに驚いた。

「気配を消して近づくのは勘弁してください。・・・いつから居たんです?」
「室蘭鎮守府のあたりからです。大丈夫です、あのくらいのことは全部知っていますから。
 それより、そろそろ"千鳥"が発艦しますよ。」

彼女の言葉に男二人は回転翼機の方に視線を送った。
"千鳥"の発動機から回転数が上がる音が聞こえてくる。高梨は回転翼機に注意を戻した。
回転翼はゆっくりと、目で追えるほどの速度で回り始める。暖機運転だろうか、回転数は決して早くない。
翼の回転と同期してどこか長閑な音が甲板上に響く。やがて、機体に取り付いてた数人の人影がそこから離れた。
それとほぼ同時に発動機がひときわ高いうなり声を上げ始める。
その細い板のような翼が連続して風を切る、剣呑な音がしたかと思うと――

「浮きますね。」

三木が言葉を発した瞬間、"千鳥"は空に舞うようにして離艦する。
高梨はそれを声も無く眺めている。オートジャイロとは違い、無滑走で垂直にあがる様は何度見ても信じられなかった。

「凄いですよね。まるでドラゴンが滞空するみたいです。」

ジェシカも感心したようにつぶやく。彼女の喩は少しおかしいんじゃないだろうか、高梨はふと思った。
それからさらに数機ほどの"千鳥"が連続して発艦し、<昭南>は"千鳥"の群れに囲まれる形になった。
回転翼が空気を切る音が響き渡る中、飛行甲板はにわかにあわただしさに包まれる。

「手すき総員での甲板確認、か。大げさなことだ。」

高梨の言葉に三木が答えた。

「仕方ありませんよ。これからが本番です。」
「そうだな、問題はここからだ。」

高梨は上空を飛ぶ四発機に視線を送った。その機体は先ほどから円を描くように<昭南>の上空を飛びまわっている。
彼は"連山"が装備する四つのハ四四が放つ爆音を聞きながら言った。

「五式大爆"連山"か・・・"大爆"という略称はどうかとは思うが、本当にいい機体だな。」
「仕方ありません。陸海軍共同開発機ですからね。いささかいい加減にならざるを得ません。
 海軍が"大型攻撃機"の略で"大攻"、陸軍が"超重爆撃機"の略で"超重爆"を主張して譲りませんでしたからね。
 まあ、"大爆"で済んでよかったですよ。"超攻"になってたら、もっと変だったでしょうしね。」
「・・・"超攻"はおかしいよな。」

三木の説明には具体的に何がどうおかしいと言うわけではない。だが確かに感覚的に"超攻"は違う、高梨は思った。

「来ますよ。」

艦尾の方を見ていたジェシカが声を発した。その声に従い、高梨達もジェシカと同様に艦尾方向を眺める。
"連山"が<昭南>に対して軸を合わせながら速度を落としつつあった。
艦の軸とは完全に同じ軸になっていない。艦から見ると、やや左にずれた形になっている。
<昭南>の飛行甲板はその線に沿った形で張り出し、着艦支援用の線がその角度で引かれている。
大爆はそのまま高度を落とした。見るうちに機体が大きくなっていく。前方からは車輪が出はじめているのも見えた。
全幅三十メートルを超える機体が――全幅十五メートルを超える"流星改二型"よりも倍以上も大きい機体が迫っているのだ。
威圧感は段違いと言って良いだろう。事前に想像していた以上の光景を見て高梨は息を呑んだ。
彼は思わず身を竦めたくなるのを必死に堪えながら、それでも食い入るように"連山"を見つめた。

「そろそろ?」
「そうですね。」

ジェシカと三木が言葉を交わす。それに答えるかのようにこの"連山"に特別に装備された着艦フックが下りた。
<昭南>への接近角度はそのまま、高度およそ五十メートルほどでスロットルが絞られたのか、発動機の爆音がやや小さくなる。
それとともに機体は急激に高度を落とし、まるで墜落するかのような勢いで飛行甲板に迫った。
そのまま見事に三点着陸を決めた。着艦フックが制動ワイヤーをつかんだ瞬間、機体はつんのめるようにして停止する。
"連山"は見事に着艦に成功したのだ。発動機の爆音が途絶えるとともに艦のあちこちから自然と拍手が湧き上がっていた。
機体から降りてきた操縦士たちと<昭南>乗員――風を制御していた精霊達も含め――が握手を交わすのを見て高梨は言った。

「・・・にしても、これ、この後どうするんだ?まさか、本当に――」

「飛ばすんじゃないですかね。そうでなければ、"発着場任務"を"提供"する"艦"とは言えませんから。」
どこか戸惑ったような声の高梨をよそに、三木が笑いながら言った。

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「世の中にはトンでもないやつがいると痛感したものよ。
 全幅が三十メートルもあるもんが"落ちて"くるのを眺めると言うのはなかなかできんからのう・・・
 なんというか、現実感が無かったと言うのが正直なところじゃな。」

まったく、あの時は本当に何がなんだかよう判らんかったのう。
む?孫め、何か首をかしげておるぞ。言いたげじゃな。何じゃ?

「でも・・・おじいちゃん、爆撃機の着陸とか見慣れてたんじゃないの?
 そりゃあ、空母に着艦するのを見るのは初めてだと思うけど・・・」

ふむ、考えてみれば、わしは重爆が着陸するのを近くで見たこと自体がほとんどない。・・・そういや、何でじゃ?

「あまり考えたこともないが、言われてみれば大戦中はあまり無かったのう。
 多分じゃが、大戦の後半になるまで大型の爆撃機が前線に出ることがあまり無かったからかもしれん。」
「どうして?だって、イーシア奪還作戦とかでは大活躍したわけでしょ?」

よく予習しておるようじゃが、まだ甘いのう。

「そりゃ、昭和二十一秋年以降の話じゃ。大戦終結のほんの二年ほどまえじゃろ?
 昭和十六年から昭和二十年ごろまでは、ほんの一部の例外を除けば殆ど単発の爆撃機が主流じゃったように思うぞ。
 もっとも、当時の海軍さんがどうじゃったかは良く知らんが、似たようなもんじゃろう。」
「何で?大型の方が爆弾とかいっぱい積めるんでしょ?だったら、大きいほうが良いんじゃない?」

まあ、そりゃそうじゃな。普通はそう思うじゃろう。じゃが、物事そう簡単でもないぞ。

「まず、大きいと言うことは的が大きいし、速度が遅くなって攻撃があたりやすくなると言うことでもあるじゃろ?
 じゃから、ドラゴンやらワイバーンやらに落とされ易くなってしまう。あいつら、それなりに強いからな。」

これは間違いないじゃろうな。単発機じゃから落とされにくいという事でも必ずしもないかもしれん。
とはいえ降爆はそれなりに成果を挙げておったようじゃから、そんなに間違ってもおるまい。

「それに、一杯積めるのは確かなんじゃが・・・色々難しくてな。
 五百キロ爆弾をばら撒くような事が出来るようになったのは"連山"からじゃ。」

孫が何かを書いている間に一服しよう。いやあ、冷たい麦茶がうまいのう。

「ま、そんなこんなで続いて発艦試験が行われたのじゃ。
 その前の着艦の時点で肝を潰しとったせいか、発艦は正直まあ普通に受け入れたな。
 鳥取中将は多少おかしい人じゃったかもしれんが、着艦を考えた富良戸少佐の方は相当変人じゃったからな。」
・・・もっとも、おかしい連中は他にも色々おったわけじゃがのう・・・

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昭和二十二年十一月二十二日 "洋上空軍機発着場提供任務艦"<昭南>

「貴公らには失望した。」

静まり返った飛行甲板上に老人の怒りを抑えた声が響いていた。
軍帽に濃紺の竪襟で、手には白い手袋がはめられている。黒革靴は磨き上げられ、初冬の陽光を受けて煌いている。
背はそれほど高くないものの眼光は鋭い。まるで梟のようだと高梨は思っていた。
彼は佩いている見事な拵えの軍刀の束に手を置き、なかばあきれ果てるように言った。

「まったく持ってなっておらん。貴公らは五年以上も戦闘機に乗っておるのだろう?
 であるのに、着艦一つに苦労するとは・・・いったいどういう教育を受けてきたのかね?」

彼は言葉を続ける。その声は決して大きくないが、不思議と聞き逃すことはない。
高梨達陸軍出身の戦闘機搭乗員は整列しながら複雑な表情でその声を受け止めた。
確かに、この<昭南>に乗っている以上は着艦の一つも出来なければ話にならないだろう。
とはいえ――

「我々は空軍軍人であります。仰る事は判りますが、この任務は本来的には海軍機動部隊の任務であると考えます。」

関本少佐がいささか憮然としながら言った。高梨もこれには同感だった。
そもそも空軍が空母を保有していることの方が異常だ、高梨がそう考えている間にも関本は老人に向かって言葉を続けた。

「第一、この訓練の意図がわかりません。重爆を空母に着艦させ、六トンもある模擬爆弾を搭載して即座に飛び立たせる。
 それを戦闘機が緊急発進して護衛するなどと言う訓練を、この<昭南>で行う必要があるのでしょうか?
 陸上基地で行うべき訓練ではありませんか?」
「訓練の意味を貴公らが考える必要はない。なすべき事をなすのみだ。侍ならば、それが当然であろう。」

関本の言葉を、老人はきっぱりと言い切って否定した。彼は冷徹な目をしたままで続ける。

「意味があるかないかは考える必要はない。貴公らは侍として、与えられた任務を誇りを持って完遂するのが本分ではないのか?
 そんな事も、このわしが説明しなければ判らないほどに、日本男児は落ちぶれてしまったのか?侍の心はどこにあるのだ?」
「"提督"、もうそれくらいにされては如何ですか?このままでは、次の予定に影響がでかねません。」

老人と同じように濃紺の堅襟を着た金髪碧眼の青年がかがみこむようにして言う。

"提督"は懐中時計を取り出して時刻を確かめ、ため息を一つついてから言った。
「確かにそうだな、ブレントさん。・・・今日はここまでにしておこう。
 だが、覚えておくがいい。真の侍なら、決意さえあれば何事でも成し遂げられるのだと言うことをな。」

そういうと”風の精霊”は――<昭南>を拠り代として顕現する藤田"提督"は一同に解散を命じた。

「あの人、本当に精霊なんだろうな?どう見ても海軍の将官か何かだぞ。」

”風の精霊”から解放され、士官室の椅子に腰掛けた関本が疲れたように言った。高梨もいささかげんなりしながら答えた。

「少なくとも精霊であることは間違いない。"提督"が放つ魔力は、あきらかに人間のものではない。
 この艦が持っている魔力と少し色が似ているし、まず間違いなく”風の精霊”だ。」
「・・・貴様、よく"魔力の色"等というものが判るな。」

関本が感心したような、だがどこか呆れたような口調で言う。彼もジェシカから魔法の手ほどきを受けたのだが――

「もっとも簡単だと言われた"魔法カルタ"すら満足に出来なかった俺から見れば、貴様も相当なもんだ。」

高梨が何か答えようとしたとき、士官室の扉が開いた。金髪碧眼の男が入室してくる。
"提督"を担当する精霊魔道士のブレントだった。その碧眼はどこか疲れているようにも見える。
彼は入室するなり高梨達に頭を下げた。

「なんというか、訓練の度に整列させる羽目になってしまい・・・本当に申し訳ありません。
 私がもう少し"提督"を制御できると良いのですが・・・」
「頭を上げてください。我々にもいたらない部分があるわけだから、そこまで悪くは思っていませんよ。」

高梨がとりなすように言った。関本がため息をついてから高梨の言葉に続けた。

「しかし、"新世界"の軍艦は精霊で動くと言うが・・・"軍艦憑き精霊"というのは皆あんな感じなのか?」
「"軍艦憑き精霊"ですか・・・なんだか"狐憑き"みたいですね、それだと。」

関本の物言いにブレントは苦笑し、続けた。

「同盟軍の軍艦では――大協約もほとんど同じだと思いますが――精霊の顕現は若い女性です。
 それはそれで扱いにくいんですが、少なくとも"提督"みたいな感じではないですよ。」
「じゃあ、何で"提督"はあんななんだ?」
「それが良く判らないんです。日本の軍艦は男性で顕現する傾向が強いようですが、理由がわかりません。
 少なくとも、今までの魔法理論ではありえない事なんです。鋼鉄の船を拠り代としているのが影響しているのかもしれません。」

――とはいえ、素材程度の違いでは顕現が異なる可能性は低いはずだ。本質は何か別のところにあるに違いない。
高梨は思った。彼は今、ブレントから召還魔法の基礎を学んでいるのだ。ブレントが言葉を続けている。

「ですが、それを補って余りあるほどの魔力があります。そうでなければ――」
「"連山"をこの<昭南>から飛ばすことなんか出来ない、か。」

関本が言った。ブレントは頷く。

「ごく普通の、同盟軍の標準的な精霊では・・・あれを飛ばすほど高い精度で魔力風を合成するのは不可能かもしれません。
 そういった意味では、"提督"がいることでこの<昭南>が発着場任務提供艦として機能している、そう言えるかもしれません。」

ブレントがそういった次の瞬間、再び士官室の扉が開いた。伝令が姿を現す。
伝令はどこかぎこちなく――海軍式と陸軍式がごっちゃになったような――不思議な敬礼をしてから言った。

「戦闘機隊の高梨中佐と関本少佐。司令官がお呼びです。」
「加来大将が?今すぐか?」
「はい。両名は速やかに出頭するように、との事です。」

高梨は訝った。今回の訓練を大将自らわざわざ見に来ているというのは知っているが、特に何かへまをした覚えは無い。
なぜ呼び出しを受けるのかわからない二人は顔を見合わせた。

左舷やや前方に作られた士官室から左舷中央部にある司令官公室まではそれほどの距離はない。
もっとも、普段は空き部屋でもあった。空軍の司令官は、たいていは陸上にいるためだ。
文字通り"速やかに"出頭した彼らは司令官公室の扉をたたいた。加来大将の入れ、という言葉に従って入室する。

「おう、急にすまんな。どうしても貴官らと話をしたいと言う"お客様"がいるものでな。」

加来は笑みを浮かべながら言った。特に叱責されるわけではないらしい、高梨はひとまず安堵した。
加来の言葉どおり、司令官公室には既に先客がいた。背は低いが筋肉質のがっちりとした体つきだ。
頑固そうな口元、節くれだった手、その立派な顎髭と背中にくくった大斧が彼の出自を雄弁に物語っていた。
ドワーフ族に間違いないだろう。彼は同盟軍の黒い軍服に身を包んでいた。加来大将は二人に向かってドワーフを紹介する。

「こちらはシャルル・アンドレ・ド・ブレイドエッジ将軍。まだお若いが、イーシア共和国軍の重鎮でいらっしゃる。」

ブレイドエッジと呼ばれた男は気難しげな表情のまま一礼する。彼は高梨達を見てから加来大将に視線を送り、言葉を発した。

「"で、どちらが"竜殺し"で有名なほうだ?"」

通訳魔法がかかっているのだろう、微妙に口の動きと声があっていない事に高梨は気がついた。
加来大将が苦笑しながら高梨を手招きする。高梨は緊張しつつ自己紹介を行った。シャルルは高梨を上から下まで見てから言う。

「こんな痩せっぽちが、あの"ウィスプ部隊"屈指の撃墜王なのか?隣の、筋骨隆々の方では無くてか?
 ・・・人は見た目ではわからんものだな。戦斧を振り回すわけではないから、腕力は不要なのかもしれんしな。」

何がおきているのかまったく判らない高梨は目を白黒させた。いったい、自分はどうしてここにいるのだろう。
加来が苦笑しながら言った。

「ブレイドエッジ将軍、用件を話したほうが判り良いのでは?」

ブレイドエッジは頷くと、イーシア共和国重鎮にふさわしい重々しい口調で告げた。

「"貴官らは私とともにこのフネでイーシアに向かってもらう。わが祖国を、暴虐なる"法の軍勢"から救い出すためにな。
 これは同盟軍としての決定だ。・・・高梨中佐、関本少佐。二人とも、活躍を期待しておるぞ。"」


初出:2010年8月8日(日) 修正:2010年8月15日(日)


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